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【松の手入れ1本目のハサミ選び】「絶対使ってはいけないハサミ」とおすすめ1本の選び方

【松の手入れ1本目のハサミ選び】「絶対使ってはいけないハサミ」とおすすめ1本の選び方

はじめに

「松の手入れを始めたいけれど、家にある花バサミや、100円ショップで買った園芸用のハサミで切ってもいいのかな?」

そんなふうに迷いながら、道具箱の前で立ち止まっていませんか?

私は岩手県で庭師として、毎日たくさんのお庭の松と向き合っています。実は、これまで多くのお客様のお庭を拝見してきて感じるのは、「手入れの技術以前に、道具選びの時点でつまずいてしまっている方が本当に多い」ということです。

結論から先にお伝えします。松の手入れには、「絶対に使ってはいけないハサミ」が存在します。道具選びを間違えると、ハサミがすぐに壊れてしまうだけでなく、松の木そのものを枯らしてしまうリスクさえあるのです。逆に言えば、道具さえ正しく選べば、それだけで失敗の可能性を大きく減らすことができるということでもあります。

これまで私が現場で拝見してきたお客様の中には、「見た目が似ているから」という理由だけで、間違った道具を選んでしまっている方が少なくありません。ハサミというのは、どれも同じように見えて、実は「何を切るために作られたか」によって、刃の厚み、角度、素材がまったく違います。松という木の特性に合った道具を選ぶことは、実はテクニックを覚えることよりも先に取り組むべき、いちばん基本の準備なのです。

この記事では、松の手入れでNGなハサミとその理由、そして超初心者の方が「これさえ買えば100点」と言える、最初のおすすめのハサミ1本をわかりやすく解説していきます。

【警告】松の手入れで「絶対使ってはいけない」ハサミ3選

さっそくですが、まずは避けてもらいたいハサミからお伝えしていきます。「これなら家にあるから大丈夫」と思っていたものが、実は今日から要注意リストに入るかもしれません。1つずつ、順番に丁寧に見ていきましょう。

NG①:文房具・工作用のハサミ

まず絶対に避けていただきたいのが、紙を切るための文房具や、工作用のハサミです。「刃がついていれば何でも切れるだろう」と思われがちですが、これは大きな誤解です。

文房具用のハサミは、紙のような薄くて柔らかい素材を切ることを想定して作られているため、刃がとても薄く、切れ味も繊細です。松の枝は、見た目以上に硬く、繊維がぎっしり詰まっています。この硬い枝に文房具用のハサミを無理に当ててしまうと、刃こぼれを起こしたり、最悪の場合は刃が枝に噛み込んで抜けなくなったりすることがあります。無理に力を入れて引き抜こうとして、手を滑らせてケガをしてしまう危険性も高く、絶対に避けていただきたい組み合わせです。

実際、あるお客様から「工作用のハサミで挑戦してみたら、刃が枝に挟まって取れなくなり、結局そのハサミは使い物にならなくなってしまった」というお話を伺ったことがあります。ハサミが1本ダメになるだけならまだしも、無理に力をかけている最中に手を滑らせてしまうと、大きなケガにつながる危険性もあります。「たかがハサミ選び」と思わず、最初の道具選びの段階から、慎重に取り組んでいただきたいと思います。

NG②:刈り込みバサミ(両手で使う大きなハサミ)

生垣を整えるときに使うような、両手で持つ大きな「刈り込みバサミ」も、松の手入れには向いていません。刈り込みバサミは、面を一気に刈り揃えることに特化した道具なので、松の枝を1本ずつ丁寧に選んで切ることには向いていないのです。

刈り込みバサミは松の剪定に向いていない

この刈り込みバサミで松の葉先をバリバリと切ってしまうと、葉の途中でブツブツと切り刻んでしまうことになります。すると、切られた部分の葉先が茶色く枯れ込んでしまい、見栄えが一気に悪くなってしまいます。松の手入れは、面ではなく、1本1本の枝を見ながら行うのが基本です。刈り込みバサミの出番は、松にはやってこないと考えてください。

生垣や玉物の木であれば、刈り込みバサミで表面を整えることは決して間違いではありません。しかし松は、内側の風通しや、1本ずつの枝ぶりを大切にする木です。「早く終わらせたいから」と面で刈り込んでしまうと、あとから修復するのにかえって時間がかかってしまうことがほとんどです。急がば回れの精神で、1本ずつ丁寧に向き合う道具を選びましょう。

NG③:安価なハサミや100円ショップの園芸ハサミ

「とりあえず試しにやってみよう」と、安価な100円ショップの園芸ハサミを手に取る方も多いのですが、これもあまりおすすめできません。

松の枝には「松脂(まつやに)」と呼ばれる、ベタベタとした樹液が多く含まれています。安価なハサミは、刃の合わせ部分の精度が甘いことが多く、このヤニがすぐに刃と刃の間に入り込んで、開閉の動きがどんどん重く、動きにくくなってしまいます。切れ味が悪くなった状態で無理に枝を切ろうとすると、スパッと切れずに枝の皮が剥がれるようにちぎれてしまい、そこから木を傷めてしまう原因になります。「安いから、まずはこれで」という気持ちはよくわかりますが、松の手入れにおいては、この選択が遠回りになってしまうことが多いのです。

さらに、安価なハサミはバネの部分がすぐにへたってしまったり、握りの部分が手に合わずに疲れやすかったりすることも多く、結果的に「使いにくいから、また庭仕事が億劫になってしまった」という悪循環に陥ってしまうケースも見てきました。道具選びの失敗は、単に切れ味だけの問題ではなく、その後の松との付き合い方そのものに影響してしまうのです。

安い万能バサミ

なぜ松には「専用の木鋏(植木バサミ)」が必要なのか?

ここまで、松の手入れに「向かないハサミ」を3つご紹介してきました。では、逆にどのようなハサミであれば、安心して松に向き合えるのでしょうか。

答えは、松専用に作られた「木鋏(植木バサミ)」です。ここからは、なぜ専用の道具が必要なのか、その理由を2つの視点から詳しく見ていきましょう。専門的な話に聞こえるかもしれませんが、難しい理屈は抜きにして、できるだけシンプルにお伝えしていきます。

松の剪定で使われる木バサミ

理由1:ネバネバした「松脂(ヤニ)」に負けない構造だから

松専用の木鋏(植木バサミ)は、こうしたヤニの多い樹木を扱うことを前提に設計されています。刃と刃が合わさる部分の精度が高く、ヤニがついても動きが重くなりにくい構造になっているのです。また、刃そのものの鋼(はがね)もしっかりとした厚みと硬さがあるため、多少ヤニで滑りやすい状態でも、狙った場所にしっかりと刃を食い込ませることができます。

一般的な文房具や安価な道具は、コストを抑えるために薄い金属板をそのままプレス加工して作られていることが多いのですが、専用の木鋏は、鋼をじっくりと鍛えて作られています。この違いが、ヤニのベタつきや、松の硬い繊維に対する強さの差となって現れてくるのです。少し値が張ったとしても、こうした構造の違いを知っていただければ、専用道具を選ぶ価値を納得していただけるのではないかと思います。

理由2:葉を傷つけず「枝の隙間」に刃を入れられるから

松の枝は、フサフサとした葉が密集していて、枝と枝の間隔もそれほど広くありません。この繊細な隙間に、周りの緑の葉を傷つけずに刃を差し込むには、先端が細くスリムに作られた刃が必要です。

先ほどご紹介した文房具用のハサミや刈り込みバサミは、刃の先端が太かったり、幅が広かったりするため、この細い隙間にうまく入り込めません。無理に押し込もうとすると、周りの元気な葉や芽まで一緒に傷つけてしまうことになります。松専用の木鋏は、切りたい枝の根元だけをピンポイントで狙えるよう、細くとがった刃先を持っているのです。

この「ピンポイントで狙える」という特性は、以前の記事でお伝えした「緑の葉と芽が残る位置で切る」という安全なポジションのルールを実践するうえでも、とても重要な役割を果たします。せっかく正しい位置を見極めても、道具の刃先が太くて周りの葉を巻き込んでしまっては、意味がありません。正しい知識と、正しい道具の両方がそろって、はじめて安全な剪定が実現するのです。

【1本目の結論】超初心者はこれ買えば失敗なし!おすすめの1選

ここまでお伝えしてきたNGなハサミと、専用の木鋏が必要な理由を踏まえたうえで、いよいよ具体的な商品のご紹介に入ります。「結局、何を買えばいいの?」という疑問に、はっきりとお答えしていきます。数ある道具の中から、あれこれ迷う時間をなくすために、まずは1本に絞ってご紹介します。

おすすめ商品:おの義・芽切狭(片刃)

さまざまな道具を実際に使ってきた経験から、「超初心者の方」にも「上級者の方」にも自信を持っておすすめできる1本があります。それが「おの義製」の芽切狭(片刃)です。

おの義の芽きりバサミ

確かに「木鋏(植木バサミ)」は植木職人さんが昔から使っているハサミで良いと思うのですが、私にはどうもはさみを切る時に発生する「カチャカチャ」という金属音が耳障りで、集中ができなくなってしまうんです。それが「おの義」の芽切狭と出会い、スムーズにストレスなく切れることを体感してからますます松の剪定が好きになりました。

私自身、現場で長年愛用してきた道具でもあり、プロの庭師からDIY初心者まで、幅広い層に支持されている定番のアイテムです。なぜこの1本をおすすめするのか、その理由を詳しくお伝えします。

まず、切れ味が抜群で、切り口が驚くほどきれいに仕上がります。切り口がきれいだということは、それだけ松にとって負担が少なく、病気になりにくく、枯れ込みのリスクも抑えられるということです。

切れ味の悪いハサミで枝を切るのは、たとえるなら、鈍いナイフで手術をするようなものです。切り口が潰れてしまうと、そこから病原菌が入り込みやすくなり、木が弱ってしまう原因になります。「よく切れる道具を使うこと」自体が、実は一番の松の健康管理になるのです。

構造もとてもシンプルで頑丈です。刃が傷んできても、研ぎ直すことで長く使い続けることができるため、初期投資こそかかりますが、結果的には一生モノとして使える、コストパフォーマンスの高い道具だと言えます。また、片刃タイプなので、剪定バサミと同じような感覚で、少々太めの枝でもすんなりと切ることができます。

私自身、この道具を長年にわたって現場で使い続けてきましたが、正直なところ、他のハサミに持ち替えたいと思ったことはほとんどありません。毎日何十本、何百本という枝と向き合う仕事だからこそ、道具の良し悪しは作業のしやすさに直結します。手が疲れにくく、狙った場所にスッと刃が入っていく感覚は、実際にプロの現場で長く選ばれ続けている理由を、身をもって実感させてくれます。

超初心者の方が最初の1本として選んでも、この道具であれば、成長してからもずっと長く使い続けられる、まさに「長く付き合える相棒」になってくれるはずです。

購入時のチェックポイント(刃の長さ・握りやすさ)

実際に購入する際に、あわせて確認しておきたい大切なポイントもご紹介します。

購入するときは、いくつかのポイントを確認しておくと、より自分の手になじむ1本を選べます。まず、刃の先端が細く、芽や枝の付け根をピンポイントで狙いやすいものを選びましょう。太くて幅広の刃の「剪定バサミ」だと、松の繊細な隙間に入り込みにくくなってしまいます。

刃の幅が広い剪定バサミ

刃の先端が細い芽切りバサミ

この「おの義」の芽切狭は、鍛冶職人さんが1本1本、手作業で叩いて作り上げた鋏です。小型なので、見た目以上に軽く、手のひらにしっくりと馴染んでくれます。力を込めなくても、スッと吸い込まれるように刃が入っていく感覚は、実際に使ってみるとその違いに驚かれる方が多いです。手が小さめの方や、力にあまり自信がない方でも扱いやすいサイズ感なので、超初心者の最初の1本として、安心しておすすめできます。

握りの部分も、長時間使っても疲れにくいよう、程よい厚みとカーブが施されています。実際に手に取る機会があれば、握ったときに指がすんなりと収まるか、開閉させたときに引っかかりがないかを確認してみてください。通信販売で購入する場合も、多くの製品ページに刃渡りや全長のサイズが記載されていますので、ご自身の手の大きさと照らし合わせて選んでいただくと、より満足度の高い1本に出会えるはずです。
鍛造の芽切狭はアマゾンで購入できる

ただし、1本1本鍛造の手作りで大量生産はできないので、ホームセンターのような大量生産で作って売るような場所では購入できません。ここに「おの義」の芽切狭を購入を検討される方にネットで買える場所(アマゾン)を紹介しておきます。

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あわせて揃えたい!ハサミと一緒に買うべき「お手入れ2種の神器」

良いハサミを1本手に入れたら、それで作業終了ではありません。その道具の性能を長く保ち、松への負担も最小限に抑えるために、あわせて揃えておきたいアイテムが2つあります。ハサミ本体と一緒に、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

1. 松脂(ヤニ)をサッと落とす「ヤニ取りスプレー/クリーナー」

どんなに良いハサミを使っても、松脂は避けて通れません。作業をしていると、刃にどんどんヤニがこびりついていき、そのままにしておくと切れ味がどんどん落ちてしまいます。

そこでぜひ一緒に揃えておいていただきたいのが、ヤニ取り専用のスプレーやクリーナーです。作業の合間や、作業が終わったあとに、刃にシュッとひと吹きして布で拭き取るだけで、ベタつきがすっきり落ちます。せっかくの良い道具も、お手入れを怠ると本来の切れ味を発揮できなくなってしまいます。ハサミ本体とセットで、道具箱に常備しておくことをおすすめします。
ヤニ取り専用のクリーナー
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ヤニ取りクリーナーがどうしても手元にない場合の応急処置として、少量の食用油や、除光液を布に含ませて拭き取るという方法もあります。ただし、これはあくまで一時的な対処法です。長い目で見て道具を長持ちさせたいのであれば、専用のクリーナーを1本、常備しておく方が、結果的に手間もかからず経済的です。作業のあと、道具箱にしまう前のひと手間として、習慣にしてしまうのがおすすめです。

2. 太枝を切ったときの絆創膏「癒合剤(トップジンMペースト等)」

もうひとつ、ハサミと一緒に揃えておきたいのが、癒合剤(切り口保護剤)です。「トップジンMペースト」のような製品が、ホームセンターの園芸コーナーで手軽に購入できます。

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直径2センチを超えるような太い枝を切ったとき、その切り口をそのまま放置してしまうと、雨水や雑菌が入り込み、木が弱ってしまうリスクがあります。人間で言えば、傷口に貼る絆創膏のようなものです。せっかく良いハサミできれいな切り口を作れても、そのあとのケアを怠ってしまってはもったいないので、ハサミを購入するタイミングで、あわせてカゴに入れておくことを強くおすすめします。

道具を揃える際は、「ハサミ」「ヤニ取りクリーナー」「癒合剤」の3点を、ひとつの道具箱にまとめておくと、作業のたびに慌てて探す手間がなくなります。庭に出るときにその箱ひとつを持ち出すだけで、切る、拭く、保護する、という一連の流れがスムーズに完結します。最初にこの3点セットをそろえておくことが、これから長く松と付き合っていくうえでの、確かな土台になってくれるはずです。

Q&A

道具選びについて、よくいただくご質問にお答えしていきます。購入前に感じやすい疑問や不安を、ここでひとつずつ解消しておきましょう。

Q1. すでに持っている剪定バサミではダメですか?

一般的な剪定バサミでも、細めの枝であれば問題なく使えます。ただし、松の細かい隙間に入り込むような繊細な作業には、より先端が細い専用の木鋏の方が扱いやすいです。すでにお持ちの道具がある場合は、まずはそれで試してみて、「刃が入りにくい」「葉を傷つけてしまう」と感じたタイミングで、専用の1本を検討してみるとよいでしょう。無理に買い替える必要はなく、今の道具の使い心地を確かめながら、必要性を見極めていただければと思います。

Q2. 右利き・左利きでハサミの種類は変わりますか?

多くの片刃タイプのハサミは、右利き用として作られていることが一般的です。左利きの方は、購入前に左利き対応があるかどうかを確認することをおすすめします。握りやすさは作業のしやすさに直結する部分なので、実際に手に取って確認できるお店があれば、一度試してみるとよいでしょう。オンラインで購入する場合は、商品説明欄に「右利き用」「左利き用」の記載があるかを必ずチェックしてから注文することをおすすめします。

Q3. お手入れの頻度はどれくらいが目安ですか?

作業をした日は、できればその都度、ヤニ取りクリーナーで刃を拭き取っておくのがおすすめです。使うたびに軽くお手入れをしておくだけで、ヤニの蓄積を防ぎ、切れ味を長持ちさせることができます。しばらく使わない期間があるときは、うっすらと油を塗ってから保管しておくと、サビの予防にもなります。数か月に一度は、刃全体をよく観察して、刃こぼれやサビがないかを確認する習慣をつけておくと、より長く安心して使い続けられます。

Q4. 値段が高いハサミほど良いのでしょうか?

必ずしも値段の高さだけが決め手ではありませんが、あまりに安価すぎるものは、刃の精度や耐久性の面で不安が残ります。今日ご紹介したような、職人さんが手作業で作った道具は、初期費用はかかっても、研ぎ直しながら長く使い続けられるという点で、結果的にコストパフォーマンスに優れていることが多いです。1年で買い替える道具を何本も購入するより、長く付き合える1本を最初に選ぶ方が、時間的にも金銭的にも無駄が少なくなります。

Q5. ハサミの手入れ以外に、保管方法で気をつけることはありますか?

使い終わったあとは、湿気の少ない場所で保管することを心がけてください。濡れたまま放置すると、サビの原因になってしまいます。刃の部分にカバーやケースをつけておくと、思わぬ接触によるケガの予防にもなり、刃こぼれのリスクも減らせます。子どもの手が届かない、少し高めの棚や引き出しにしまっておくことも、安全な保管方法のひとつです。

Q6. 太い枝も、この木鋏1本で切れますか?

芽や細めの枝を切ることには非常に向いていますが、直径が大きく育った太い枝には、別途、剪定用のノコギリを用意することをおすすめします。木鋏で無理に太い枝を切ろうとすると、刃に大きな負担がかかり、傷める原因になってしまいます。作業する枝の太さに応じて、道具を使い分ける意識を持っておくとよいでしょう。目安として、指でつまんで簡単に囲めないくらいの太さになったら、木鋏ではなくノコギリの出番だと考えてください。

Q7. 子どもと一緒に使っても安全ですか?

ハサミは刃物ですので、お子さんが使う場合は、必ず大人が付き添い、目を離さないようにしてください。切る作業はお子さんに任せず、大人が担当し、拾い集める作業だけを一緒に楽しむという役割分担にすると、安全に庭仕事を共有できます。以前ご紹介した「枯れ葉払い」のように、ハサミを使わなくても楽しめる作業がありますので、お子さんにはそちらの担当をお願いするのもよいアイデアです。

Q8. 使い始める前に、何か準備は必要ですか?

新品のハサミであっても、購入後は刃の合わせ具合や、開閉のスムーズさを一度確認しておくと安心です。もし動きが硬いと感じたら、軽く油をなじませてから使い始めると、よりスムーズに作業ができます。手袋を着用したうえで、まずは不要な枯れ枝で試し切りをしてみるのもおすすめです。いきなり本番の緑の枝で試すのではなく、失敗しても問題のない枯れ枝で感覚をつかんでから、実際の作業に移るという流れを意識してみてください。

まとめ:正しいハサミを1本手に入れて、安全に松のお手入れを始めよう!

最後に、今日お伝えした内容を、あらためて振り返っておきましょう。

松の手入れは、道具選びで8割が決まると言われるほど、道具の存在が大きな意味を持ちます。今日ご紹介した「絶対に使ってはいけないハサミ」を避けて、信頼できる1本を手元に用意しておくだけで、失敗のリスクは格段に減らすことができます。

文房具用のハサミ、刈り込みバサミ、安価な100円ショップの園芸ハサミ、この3つは松の手入れには向いていません。かわりに、松脂に負けない構造を持ち、細い隙間にも刃が入る専用の木鋏を選びましょう。そして、ヤニ取りクリーナーと癒合剤も、あわせて揃えておくことをおすすめします。

道具選びは、松の手入れという長い旅路の、まさにスタートラインです。ここで正しい1本を選んでおくことができれば、そのあとに待っている「どこを切るか」「いつ切るか」といった知識も、より安心して実践に移していくことができます。逆に、道具選びでつまずいてしまうと、せっかく覚えた正しい知識も、うまく活かせなくなってしまいます。まずは形から、そして確かな道具から。松との付き合いの第一歩を、ここから踏み出してみてください。

まずは万能な1本を手に入れて、気持ちよく松のお手入れをスタートさせましょう。良い道具は、あなたの松との付き合いを、これから何年も、何十年も、支えてくれる心強い相棒になってくれるはずです。何を切るか、いつ切るか、どこで切るか。そうした知識を実践に移すための土台として、今日ぜひ、正しい1本を手に取ってみてください。

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