松の剪定は1年の期間の中でどのような方法で作業を行なうのか

松の剪定や管理が難しく感じる方はたくさんいるようで「作業をしようと思ってもいつやったらよいか?」「どのように進めたらよいのか?」など苦労されるようです。

そのようなことから、ここでは、なかなか思うように松の剪定ができない方のために、1年間の松の剪定方法と管理について解説していきます。

松の剪定作業・1年間のサイクル

松の剪定方法を解説している書籍って意外と少ないんですよね。

ウエブサイトに関しては、どこかのサイトでコピーして記事をリライトした、似たような一般的な剪定記事はあっても、実践で得た画像などで詳しく解説してあるものがほとんど見当たりません。

このウエブサイトでは実際に現場で作業した画像や事例画像を使い、実際の剪定で役立つような解説をしていきます。

松の剪定では、一般的には大きく分けて、1年に次の3つの作業があるといわれています。

1.初夏の頃に行なうミドリつみ(新芽つみ)
2.通常行なう剪定で樹形を整える
3.冬期に行なうもみあげ作業

すべての作業内容は全く異なりますし、各々は剪定を行なう時期にも違いがあります。

これら3つの作業について、できるだけ初級レベルの方の目線で解説していきます。

松の剪定というものは、同じことの繰り返しで意外と単純な作業ではありますが、時間がかかり、それが面倒な作業であると思われているのかもしれません。

しかし作業自体には裏技とかはなく、淡々と行なうだけの作業になり、慣れてしまえば何も難しく考える必要はありません。

ただ、大きな松になるほど作業に時間がかかるので、忍耐力が必要となる場合もあります。

松の剪定は年1回だけで済む

基本的に1年に3つの剪定作業があるので、3回も剪定業者さんを頼まないといけないと思っていませんか?

しかし、一般的に松の剪定業者さんたちは、同じお宅に年3回も行かないことに気づいていましたか?

なぜなのかというと、お金がかかるのでお得意様に頼まれないからという理由が一番大きいです。

でも「年3回ではなく、1回でも本当に大丈夫なの?」と気になりませんか?

その答えを先にお伝えしますと、全く大丈夫です。

季節によって剪定方法は若干違いますが、剪定作業は年1回で十分です。

この方法を知ってしまうと、年に1回だけの剪定ですむだけでなく、初級者の方からよく質問される「ミドリつみはいつが良いのか?」ということで毎年悩む必要がもうなくなります。

ではどのような作業をすれば1回の剪定で済むのか、特に裏技というものはないですが、これは年に3回も松に時間と費用をかけなくても1回で済ますことができる作業なので、のちほど、年1回の松の剪定方法を教えますね。

松のミドリつみ(新芽つみ)の作業方法

ここからは基本的な作業のひとつである「ミドリつみ(新芽つみ)」の作業について解説します。

「ミドリつみ(新芽つみ)」を行なう時期は、地域によっても違いがありますので、松の新芽の状態を確認して作業していただきたいです。ミドリつみを行なう期間は2週間くらいしかありませんので、それを見極める必要があります。

いったいどのような状態の時に行なうのがベストなのかというと、

松のミドリつみを行なう時期は新芽がビュンッと伸びたころで、
しかも、新芽がポキっと手で折れるほど柔らかい頃がよいです。

北国岩手では6月に入る頃(5月末ころ)が、ポキッと気持ちよく折れる一番良い時期なので、
それよりも南の地域は、1か月くらい早い5月のゴールデンウイーク前後の頃がミドリつみの適期かもしれませんね。

その頃を過ぎてしまうと、新芽が固くなるので手では折れなくなり、はさみを使って切るようになります。

ただ、その時期を逃したとしても、基本的には3本の新芽で一番長く伸びている真ん中を折れ(切れ)ば良いだけです。

通常は3本のうち真ん中を切ればよいのですが、その残った2本の新芽も勢いがよくて長く伸びていれば、長さを周りの樹形に揃うように調整するだけです。

ミドリつみの作業が多く、それをするのも面倒だというのであれば、3本の真ん中を切ったあとに、刈り込みバサミを使って、全体的にバッサリと刈って長さを揃えると短時間で済みます。

時間をかけてミドリつみをする必要はございませんが、あなたの技術力を磨きたいというのであれば、1本1本挑戦してみるのもよいと思います。

松の樹形を整える一番重要な作業

松の剪定で一番重要なのが、この「松の樹形を整える作業」で、ここに一番時間と手間をかけることになります。

では、松の樹形を整える剪定作業ではどんなことをするのかといいますと、剪定を行なう時期的には、新芽の伸びがひとまず止まる7月頃。または、生長が止まる9月頃の時期が経験上良いと思います。

ミドリつみを行なっている場合には、樹形が整っている可能性が高いかと思いますが、樹形の内部を覗いてみるともしかしたら枯れ葉や枯れ枝が残っていたりして、それらが密集しているかもしれません。なので、間引く剪定を行ないながら適当な空間を作るように枝葉を切ってあげます。

枝葉が密集していると、病害虫が発生しやすい状況にもなるので、枝葉の間に適当な空間を作って風通しを良くしてあげる必要があります。

枝葉を間引く際には、横から見てもわからないことが多くあります。このような時には、上から覗き込むように見てやって、切り取る枝葉を選びます。

剪定後は、真下から上に向って覗いて見た場合に、枝葉の間からお空が見えるよになっていれば良いです。

あっちこっちやるとどこを作業したのかわからなくなるので、樹形のひとかたまりごとに行なって、時間をかけて間引いてやります。

急ぐとろくなことはありませんので、時間をかけて、松と話しながら作業をしてやってください。

剪定している時にどの枝葉を抜いてあげたらよいのか迷う場合もあると思います。そんな時は、ひとまずその枝は手をかけずに残しておき、後ほど樹形を見ながら枝ぶりを見ながら考えて切った方がよいです。何も考えずに切ってしまったら一貫の終わりなのでね。

何度か言いましたが、松の樹形を整える剪定は、同じことの繰り返しで若干面倒に感じる手作業がほとんどです。大きな松になるほど作業にかける時間の多さと、嫌になるほどの忍耐力が必要になることもありますが、初めはジックリと考えながら作業してください。

松のもみあげを行ない整理する作業

松のもみあげ作業を行なう時期は、松の葉っぱが黄色くなる寒くなる頃になります。

北の地域の方が早く黄色く色づきその時期は早いです。11月前後の頃からだんだんと葉が黄色くなっていき葉っぱが簡単に取れやすいので、その時期が一番よい時期だと思います。

もみあげを行なう作業は、黄色い葉と茶色く変色した葉っぱは必ず取ってやらないと特に見栄えの悪さに影響します。この作業は枝をこするようにしたり、手で葉っぱを握って抜くようにしても簡単に取れます。

緑色の葉っぱは全て取ってあげる必要はありませんが、適当に整理するように抜いてください。このもみあげを行なう時に気をつけてほしいことは、下に向いて生えている現在緑色の葉っぱ見栄えの悪さに影響し、だらしなく見えますので必ず取ってください。

この時に下に向いた葉を残してしまうと、将来的にこの残した葉から新芽が下に伸びて、枝が下に向いて生えて行く可能性が非常に強いので、下に向かって伸びる葉(青い線の部分)は、確実に取ってほしいです。

松の葉は上にギュンッと向いて伸びていないと、盆栽でも風格のある松に見えないです。もしもこれが下に向いている枝葉であったとしたら、格好が悪くだらしなく見えてしまいます。

年に1回だけ行なう松の剪定時期

松の剪定職人が年に1回だけ行なう松の剪定方法では、ここに時間をかけるのですが、この方法は剪定を行なう時期がとても重要になります。

とは言いましても剪定職人は、冬期以外は時期を選ばず剪定をしています。

ただ、10月頃の北国岩手の気候は肌寒くなるころで、そのころに「黒松」の剪定を行なうと松が風邪をひく可能性があるので、その時期では遅いかもしれません。

その寒くなる時期から新芽が伸び切るまでは、作業しない方がよいかもしれず、それ以外の暖かめの時期に剪定作業をしたほうが、枯れる可能性は低くなると思います。

年に1回だけ行なう松の剪定方法

さて、年に1回だけ行なう「松の剪定方法」の解説ですが、通常の松の剪定作業には

1.初夏の頃に行なうミドリつみ(新芽つみ)
2.通常行なう剪定で樹形を整える
3.冬期に行なうもみあげ作業

大きく分けると1年のうちに行なう作業は、これら3つに分けられます。

実は「年に1回だけ行なう松の剪定方法」は、これら3つの作業を良い剪定時期に、1度に行なってしまうという方法になります。

私が行なう時期は6月中旬から7月中旬ころが多く、みどりつみは行なっておりませんので、この頃は新芽がグンと伸びきっています。

ここで初めに行なうことは、全体を見るとひと固まりになっている樹形が何個かあるはずです。

その樹形ごとに整える作業を、各々の樹形で行ないます。

ひとかたまりになっている樹形を横から見ると、だいたいの樹形が持つ枝葉の高さがわかるので、その高さに揃えるように剪定を行ないます。

かつ、上から見た場合でも枝葉を間引いて、ある程度の空間ができるるように剪定を行ないます。

横からみて飛び出している新芽がたくさんあるので、指でつまんで上に向かって軽く持ち上げるように引っ張ってみてください。

そして、上から覗いてやってその枝を剪定してやるとどのような空間が生まれるのかを見てみます。

ある程度の空間ができるのであれば、その枝を切ってしまうのですが、この時の切り方は、根元から切るのではなく、適宜に切り取る場所があります。

その切り取るポイントは、赤い線のところで、来年伸びる芽を残して伸びた枝葉を切ります。

そして、残った部分を見てみると、樹形の中に手を入れて枝葉にちょうど触れるくらいの間隔で、ほどよい空間を持った葉っぱが残っていればよいです。

来年の芽を残して、この葉っぱを全て抜いてやるときれいに仕上がります。

これを行なうことで、冬のもみあげも不要になるのですが、これを樹形ごとに全ての枝葉で行なうことになります。

松の樹形を整える剪定作業は、同じことの繰り返しの手作業がほとんどです。

大きな松になるほど作業にかける時間と忍耐力の勝負になります。

前年度に、同じ時期に剪定を行なっていれば、樹形は乱れにくくなり剪定作業が楽になります。