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「もみあげ」って何をするの?松の古い茶色い葉を手でむしる正しい手順

「もみあげ」って何をするの?松の古い茶色い葉を手でむしる正しい手順

はじめに

松の手入れについて調べていると、必ずと言っていいほど出てくる「もみあげ」という言葉。「もみあげって、髪の毛のあれのこと?」「松の手入れなのに、なぜ髪型の話が出てくるの?」と、頭の中が「?」でいっぱいになった方も多いのではないでしょうか。

実は、松の「もみあげ」は髪型とはまったく関係ありません。結論からお伝えすると、「もみあげ」とは、ハサミを一切使わずに、手だけで古くなった茶色い葉をむしり落とす、掃除のような作業のことです。これを行うだけで、松の見た目がガラッと変わり、木そのものも健康になっていきます。特別な資格や経験がなくても、今日から誰でも始められる、非常に取り組みやすい作業です。

私は岩手で庭師をしていますが、初めて松の手入れに挑戦する方に、いちばん最初におすすめしているのが、実はこの「もみあげ」です。ハサミを持たなくていいので失敗のしようがなく、手を動かせば動かすだけ、目に見えて松の印象が変わっていきます。「松の剪定、なんだか難しそう」と感じている方こそ、まずはこの「もみあげ」から始めてみてほしいと思います。

この記事では、初心者の方でも失敗しない「もみあげ」の具体的な手順、正しい手の動かし方、そして手を傷つけないためのコツまで、分かりやすく解説していきます。ハサミを使わない作業なので、松の剪定の中でもいちばん取り組みやすい内容です。ぜひ、肩の力を抜いて読み進めてみてください。

「もみあげ(古葉取り)」とは茶色い葉を手でむしる作業!

なぜ「もみあげ」と呼ばれるの?

まず、多くの方が気になる「もみあげ」という言葉の由来からお話しします。この作業は、枝を手のひらで包み込むようにして、揉むように動かしながら古い葉を落としていきます。この「揉むようにして葉を上げていく」動作から、「揉み上げ」、つまり「もみあげ」と呼ばれるようになりました。

髪の毛のもみあげとは、実は語源としてはそれほど遠くありません。手でシャッシャッと揉むような動作をする、という共通点があるからこそ、同じ言葉が使われているのです。この由来を知っておくだけで、「もみあげ」という言葉に対する不思議な感覚が、少し和らぐのではないでしょうか。

古くから庭仕事に携わってきた職人たちの間で、こうした動作の呼び名が自然と定着していったのだと考えると、専門用語というよりも、現場の感覚から生まれた、生きた言葉だと感じられるかもしれません。難しく考えず、「手で揉むように葉を落とす作業」というシンプルなイメージだけ持っておけば十分です。

「もみあげ」を行う時期は「秋~冬(11~12月)」

「もみあげ」を行うのにベストな時期は、秋から冬にかけての11月から12月ごろです。この時期になると、松は活動を控えめにする「休眠期」に入っていきます。

休眠期に入った松は、古くなった葉が自然と枝から離れやすい状態になっています。この自然な流れに合わせて手を動かしてあげることで、無理な力を使わなくても、面白いほどスムーズに古い葉が落ちてくれます。逆に、木が活発に活動している春や夏にこの作業をしようとすると、まだしっかり枝についている葉まで無理に引っ張ってしまうことになりかねません。時期を選ぶことが、この作業を成功させる大切な第一歩です。

実際に試してみると分かるのですが、同じ強さで撫でても、時期によって葉の落ち方がまったく違います。秋冬のベストなタイミングであれば、まるで葉のほうから離れていってくれるような、心地よい手応えを感じられるはずです。逆に時期が早すぎると、葉がしっかりと枝にしがみついていて、なかなか落ちてくれません。「あれ、思ったより落ちないな」と感じたら、それは時期がまだ早いサインかもしれません。

なぜやるの?(やるべき2つの理由)

「もみあげ」を行う理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、見た目の変化です。松の内側には、1年かけて茶色く変色した古い葉が、思っている以上にたくさん溜まっています。この茶色いゴミのような葉を取り除くことで、残った緑の葉が一段と鮮やかに映えるようになり、木全体の印象がパッと明るくなります。実際に作業をしたお客様からは「こんなに緑が鮮やかだったなんて知らなかった」という声をいただくことも少なくありません。

2つ目は、木の健康面です。古い葉が詰まった状態のままだと、木の内側まで風や光が届きにくくなってしまいます。もみあげによって内側に空間ができると、奥まで風と光がしっかり通るようになり、湿気がこもりにくくなることで、病気や害虫の発生を防ぐ効果も期待できます。

見た目と健康、この両方に効く一石二鳥の作業、それが「もみあげ」なのです。梅雨時期など湿気が多くなりがちな季節を元気に乗り切るためにも、秋冬のうちに内側の風通しを整えておくことは、松にとって大きな意味を持っています。

【作業前】手袋選びで8割決まる!準備すべき道具2選

1. ゴム手袋を用意する

「もみあげ」を成功させる最大のポイントは、実は道具選び、特に手袋にあると言っても過言ではありません。普通の軍手を使うのは、絶対に避けてください。作業を始める前のこの準備段階を丁寧に行うかどうかで、その後の作業の快適さがまったく変わってきます。

松の枝からは「松脂(まつやに)」と呼ばれるベタベタした樹液が出ていて、軍手のような繊維の粗い生地だと、この松脂が布地を貫通して手に染み込んできてしまいます。さらに、松の葉は先端が細くて硬いため、軍手越しでもチクチクと刺さって痛みを感じることがあります。だからこそ、松脂を通さず、葉の刺激からもしっかり手を守ってくれる、コーティング加工された天然ゴム手袋が必須なのです。

松脂を通さず葉の刺激からもしっかり手を守ってくれるゴム手袋

ホームセンターの園芸コーナーに行けば、1000円前後で手に入る手袋がたくさん並んでいます。手にぴったりフィットするサイズを選ぶことで、細かい作業もしやすくなりますので、購入する際は自分の手のサイズに合ったものを選んでみてください。手のひら側にゴムがコーティングされているタイプであれば、細かい葉の感触も伝わりやすく、しつこい葉と簡単に取れる葉の違いを見分けやすくなるという利点もあります。

2. 落ち葉を集める「集草シート」

もう一つ用意しておきたいのが、「集草シート」です。これは、木の下にあらかじめ敷いておく、大きめのシートのことです。

「もみあげ」の作業を始めると、想像していた以上に大量の茶色い葉がバサバサと落ちてきます。何も敷かずに作業をしてしまうと、後から地面に散らばった葉を一枚一枚拾い集める羽目になり、かなりの時間と手間がかかってしまいます。あらかじめシートを敷いておけば、作業が終わった後、シートの端を持ち上げるだけで、落ちた葉をまとめて一気に回収することができます。

松の木の下にあらかじめ敷いておく大きめのシート

専用の集草シートでなくても、大きめのブルーシートやレジャーシートで代用しても問題ありません。この一手間があるかないかで、作業後の片付けの負担が大きく変わってきます。

シートを敷く際は、木の周り全体をぐるっと囲うようにすると、風で葉が飛ばされてしまっても、比較的シートの上に留まりやすくなります。風の強い日は、シートの四隅に石や重しを置いておくと、作業中にシートがめくれてしまうのを防ぐことができ、より安心して作業に集中できます。

【実践】初心者でもできる!「もみあげ」の正しい4ステップ

ここからは、実際の作業手順を4つのステップに分けて紹介します。難しい判断は必要ありませんので、順番に落ち着いて進めてみてください。焦らず、一つひとつのステップを丁寧にこなしていくことが、上達への近道です。

ステップ1:枝の根元(内側)にある「茶色い古葉」を探す

最初に行うのは、対象となる葉を見つけることです。枝の先端についている、生き生きとした緑色の葉ではなく、幹に近い、枝の付け根あたりに溜まっている茶色く変色した古い葉を探してください。

松の葉は、外側は新しく元気な緑色、内側にいくほど古くなって茶色く変色していく、という性質があります。まずは1本の枝を手に取り、先端側と根元側でどのくらい色が違うかを見比べてみると、対象となる葉のイメージがつかみやすくなると思います。

枝の根元にある茶色い古葉を探す

初めのうちは、1本の枝だけをじっくり観察する時間を取ってみることをおすすめします。先端は鮮やかな緑、根元に近づくにつれて色が薄くなり、いちばん奥は茶色くカサカサになっている。この色のグラデーションを実際に目で確認できると、次の枝からは迷わずスムーズに対象を見つけられるようになっていきます。

ステップ2:枝の「根元から先に向かって」撫で払う

対象の葉が見えたら、いよいよ手を動かしていきます。まず、枝の付け根の部分を片手でそっと優しく支えてください。これは、力を入れすぎて枝そのものを傷つけないようにするための、大切な準備です。

そして、もう片方の手で、枝の奥側から手前側に向かって、シャッシャッと優しく滑らせるように撫でていきます。イメージとしては、髪の毛をブラシで優しくとかしてあげるような感覚です。力を込めてゴシゴシとこする必要はまったくありません。軽い力で撫でるだけで、茶色くなった古い葉は、ポロポロ、バサバサと気持ちよく落ちていってくれます。

茶色くなった古い葉はポロポロと気持ちよく落ちていく

最初は力加減が分からず、少し強めに撫でてしまう方も多いのですが、慣れてくると「このくらいの力で十分なんだ」という感覚がつかめてきます。目安としては、手のひらに軽く触れる程度の圧で十分です。強く握り込むのではなく、指をそろえて、枝の上を滑らせるように動かすことを意識してみてください。

ステップ3:しつこい葉は指先でつまんで「手前に引っ張る」

撫でるだけではなかなか取れない、頑固な葉が残っていることもあります。そんなときは、その葉を指先で軽くつまんで、手前にそっと引っ張ってみてください。

ここでのポイントは、ポロッと簡単に取れるものだけを対象にすることです。「取れそうで取れない」という葉に何度も力を入れる必要はありません。テンポよく、次から次へとつまんでいく感覚で進めていくと、リズムに乗って作業がどんどん進んでいきます。少し引っ張ってみて、ためらいなくポロッと取れる葉だけを選んでいくのがコツです。

このステップに慣れてくると、指先の感覚だけで「これは取れる葉」「これはまだ早い葉」が、瞬時に判断できるようになっていきます。最初のうちは一つひとつ確認しながらで構いませんので、焦らずゆっくり手を動かしてみてください。

ステップ4:落ち葉を下に払い落として完了

1本の枝の作業が終わったら、手についた葉くずや、まだ枝に絡まっている葉を、下に向かって軽く払い落としましょう。この最後のひと払いをすることで、次の枝の作業に気持ちよく取りかかることができます。

この4つのステップを、木全体の枝1本1本に対して繰り返していきます。最初のうちは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくると、手のリズムがどんどん軽快になっていくのを感じられるはずです。1本の枝を終えるごとに、少し離れて全体を見渡してみると、作業がどれだけ進んだかを実感でき、モチベーションを保ちながら続けやすくなります。

【注意】木を傷めないための「もみあげ」3つの鉄則

鉄則1:緑色の元気な葉は無理に引っ張らない

「もみあげ」で絶対にやってはいけないのが、まだしっかり枝についている緑色の元気な葉を、無理やり引っ張って取ってしまうことです。

無理に力を入れて葉を抜こうとすると、葉だけでなく、枝の表面の皮まで一緒に剥がれてしまうことがあります。この剥がれた部分から病気が入り込んでしまうと、枝全体が弱ってしまう原因になりかねません。基本的なルールとして、簡単にポロッと取れる茶色い葉や、黄色く色あせてきた葉だけを対象にし、少しでも抵抗を感じる葉には、無理に手をかけないようにしてください。

「もったいないから、もう少しだけ頑張って取ってしまおう」という気持ちが出てくることもあると思いますが、そこはぐっとこらえてください。その葉は、来年の秋冬にはきっと自然と取れやすい状態になっています。今すぐ全部きれいにする必要はまったくないのです。

鉄則2:「上から下へ」の順番で進める

作業を進める順番にも、実はちょっとしたコツがあります。木全体を作業するときは、下の枝から先に片付けるのではなく、「上から下へ」の順番で進めるようにしてください。

もし下の枝から先にきれいにしてしまうと、その後で上の枝の作業をしたときに、落ちてきた葉が、すでにきれいにした下の枝に再び引っかかってしまいます。そうなると、また同じ場所をやり直す、二度手間が発生してしまうのです。上から下へ、順番に進めていくことで、落ちた葉が下の枝に邪魔されることなく、そのまま地面まで落ちていってくれます。効率よく作業を進めるためにも、ぜひこの順番を意識してみてください。

上から下への順番で進めると作業効率が良い

木全体で見ると、まずは頂上に近い高い位置の枝から着手し、少しずつ下に降りていくようなイメージです。三脚脚立を使う場合も、最初に高い場所から作業を始めておけば、途中で脚立の位置を大きく変える必要が減り、作業全体の効率もぐっと良くなります。

鉄則3:葉を全部なくそうと躍起にならない

もう一つ大切な心構えが、葉を根こそぎ全部なくそうと張り切りすぎないことです。「もみあげ」に夢中になっていると、つい「もっときれいに、もっと徹底的に」という気持ちになってしまいがちです。

ですが、葉をあまりにも取りすぎて枝がスカスカになってしまうと、日差しが強く当たりすぎたり、木のバランスが崩れてしまったりすることがあります。目安としては、「木の内側まで、日差しが適度に通っているかどうか」を基準にしてください。完全に向こう側が見渡せるほどスカスカにする必要はなく、うっすらと光が届く程度で十分です。「まだ少し葉が残っているかな」くらいの状態で、ちょうどよいバランスだと考えてください。

作業に夢中になっていると、つい細かい部分まで気になって手が止まらなくなることがあります。そんなときは、一度手を止めて、少し離れた場所から木全体を見てみてください。近くで見ていたときには気にならなかった「ちょうどいい塩梅」が、離れて見ることで意外とはっきり見えてくるものです。

【あわせてやりたい】「もみあげ」が終わったら「透かし剪定」へ

枯れ葉がなくなると「不要な枝」が一目瞭然になる

「もみあげ」で古い葉をすべて取り除くと、それまで見えなかった枝そのものの形が、はっきりと見えるようになります。これは、実は次のステップに進むための、とても良いタイミングでもあります。

古い葉に埋もれていた枝元がすっきり見えるようになると、「あ、ここが三股に分かれてごちゃごちゃしているな」「この枝は明らかに他の枝と重なっているな」といった、混み合った部分が一目で分かるようになります。この状態になったら、剪定バサミを使って、こうした不要な枝を整理していく「透かし剪定」に進むことができます。

三股に分かれてごちゃごちゃしている

「もみあげ」は、いわば透かし剪定の準備運動のようなもの。まずは手だけで古い葉を取り除き、視界がクリアになったところで、次のステップに進んでいく。この流れを覚えておくと、松の手入れ全体の見通しがぐっと立てやすくなります。

「もみあげ」だけで作業を終えても、もちろん問題ありません。ですが、せっかく葉を落として枝の形がよく見える状態になったのですから、余裕があれば、その日のうちに軽く枝の様子を観察してみるのもおすすめです。今日はどこまでやる、次回はどこから始める、という区切りをつけながら進めていけば、無理なく段階的に松の手入れを進めていくことができます。

Q&A

Q1. もみあげをすると、手が松脂でベタベタになりませんか?
A. しっかりとしたゴム手袋を使っていれば、直接手にベタつきがつくことはほとんどありません。作業後は、手袋の表面についた松脂を、固く絞った布などで軽く拭き取っておくと、次回も気持ちよく使うことができます。

Q2. どのくらいの時間、作業をすればいいですか?
A. 木の大きさにもよりますが、庭木サイズの松であれば、休憩を挟みながら半日程度を目安にすると、焦らずじっくり取り組むことができます。

Q3. 茶色い葉と緑の葉の見分けが、正直まだ自信がありません。
A. 迷ったときは、その葉を軽くつまんでみて、力を入れずにポロッと取れるかどうかで判断してみてください。すんなり取れる葉は古い証拠、しっかり抵抗を感じる葉は、まだ元気に生きている証拠と考えて大丈夫です。

Q4. 手が疲れてきました。休憩してもいいですか?
A. もちろんです。もみあげは急いで終わらせる必要のない作業です。手や腕が疲れてきたら、こまめに休憩を挟みながら、無理のないペースで進めてください。

Q5. もみあげをしたら、切り口の保護剤は必要ですか?
A. もみあげは手で葉を落とすだけの作業なので、枝を切ることはなく、保護剤は基本的に必要ありません。保護剤が必要になるのは、この後の透かし剪定で太い枝を切ったときです。

Q6. 三脚脚立を使わないと届かない高さの枝はどうすればいいですか?
A. 三脚脚立を使う際は、無理に体を伸ばさず、届く範囲だけを対象にしてください。それでも届かない高い場所は、無理をせず、来年以降の課題として残しておいても問題ありません。

Q7. 一度にすべての枝をもみあげないといけませんか?
A. 必ずしも1日で全部終わらせる必要はありません。庭が広かったり、木が大きかったりする場合は、何日かに分けて少しずつ進めても大丈夫です。

Q8. 落とした葉は、どうやって処分すればいいですか?
A. お住まいの自治体のルールに従って処分してください。集草シートに集めた葉をそのまま袋にまとめれば、そのままゴミ出しに出しやすくなります。

Q9. もみあげをした後、木の見た目がスカスカになってしまいました。大丈夫でしょうか?
A. 少し様子を見てあげてください。もみあげ自体は木にダメージを与える作業ではないので、スカスカに見えても健康上の心配はいりません。ただし、次回からは鉄則3を意識して、少し控えめに作業をしてみると、より自然なバランスに仕上がります。

Q10. 毎年もみあげをする必要がありますか?
A. 松の葉は毎年少しずつ古くなっていくので、できれば毎年、秋から冬にかけての時期に行うのがおすすめです。継続することで、古い葉が溜まりすぎることを防ぎ、毎年きれいな状態を保ちやすくなります。

Q11. 家族に手伝ってもらいながら作業をしても大丈夫ですか?
A. もちろん大丈夫です。もみあげはハサミを使わない安全な作業なので、ご夫婦やお子さん、お孫さんと一緒に取り組みやすい作業でもあります。それぞれ手袋を用意して、一緒に葉をポロポロ落としていく時間は、庭仕事を楽しい思い出に変えてくれるかもしれません。

まとめ:手でポロポロ落ちる快感を体験してみよう!

「もみあげ」は、ハサミを一切使わない、松の手入れの中でもいちばん安全で、失敗の少ない作業です。切ってしまう心配がないからこそ、初心者の方でも気軽に、そして安心して挑戦することができます。

枝の根元から手前に向かって、シャッシャッと優しく撫でるだけで、茶色くなった古い葉がポロポロと気持ちよく落ちていく。この感覚は、一度体験すると病みつきになる方も多い、不思議な爽快感があります。そして、内側に溜まっていたゴミのような葉が取り除かれ、そこにスッと光が差し込む瞬間は、まさに「手入れをした甲斐があった」と実感できる、達成感のある瞬間です。

道具は、ゴム手袋と集草シートさえあれば十分です。特別な技術や経験は必要ありません。ぜひ今度の休日、天気の良い日を選んで、手袋をはめて松の前に立ってみてください。ポロポロと落ちていく古い葉の感触を楽しみながら、松との新しい付き合い方を、ぜひ体験してみてくださいね。

「剪定は難しそうで手が出せない」と感じていた方も、この「もみあげ」であれば、今日からでもすぐに始められます。ハサミを使わない安心感の中で、少しずつ松との距離を縮めていってください。そしてゆくゆくは、透かし剪定や、さらにその先の本格的な剪定にも、自信を持って挑戦できるようになっていくはずです。すべての第一歩は、この手で葉を撫でる、シンプルな作業から始まります。今日、この記事を読み終えたら、ぜひ次の休日の予定に「もみあげ」を書き込んでみてください。手袋一つで始められる、この気軽さこそが、松との付き合いを長く続けていくための、いちばんの近道になるはずです。今年の秋冬は、ぜひこの「もみあげ」から、松との新しい一年を始めてみてください。

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